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Archive: 10月 22nd, 2011

「水道水は本当に大丈夫?、野菜、魚は?」放射線防護の専門家が答える


震災直後より、放射性物質の拡散は、福島を中心とし、ただし風向きの問題等もあり同心円状ではなく関東周辺まで及びました。ホットスポットと呼ばれる放射性物質が集まりやすい場所や浄水場でも放射性物質が発見され、特に乳幼児がいらっしゃる家庭は「水道水が飲めない」とパニック寸前。

そんな私も(現在は違いますが)、当初は愛犬が心配と、在庫切れのミネラルウォーターを探した覚えがあります(汗)。いま考えると11歳の老犬なので、あまり意味無いかなと・・・。

 
気になって現状を調べてみましたが、放射線防護学の専門家の野口邦和先生は、「私も、私の家族も水道水を飲んでいる」とのことで、この野口先生の記事を、ご家庭で参考にしていただければと思います。

 
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放射線は、高い線量を浴びると急性障害を招き、線量が低くても、後々ガンなどを引き起こす危険性を持っています。理想は放射線を浴びないことですが、病気の治療や検査では、放射線(CTやX線)を必要とすることもあります。私の専門である放射線防護学は、放射線のデメリットをできるだけ低くし、メリットと安全性を最大限確保する方法を研究する学問です。  

 
福島第一原子力発電所の事故が発生して以来、放射性物質による汚染への対応策について、専門家の立場から意見を求められることが多くなりました。私は「健康を守るためには、自然放射線と医療用の放射線以外の無駄な放射線の被爆量はできるだけ低くすべきである」と考えており、この考えに沿ってアドバイスをしています。

一般の人を対象とした講演会でしばしば寄せられるのは、「水道水を飲んで、本当に大丈夫でしょうか」「水道水が怖くてミネラルウォーターしか飲んでいません」といった声です。金町浄水場(東京都葛飾区)から、乳児向けの暫定規制値(100ベクレル/kg)を超える放射性物質(ヨウ素131)が2日続けて検出されたことへの動揺が、半年たった現在も続いています。

 
結論から言いますと、現在は、水道水の安全性にまったく問題はありません。

 
水道水から検出された放射性ヨウ素は、半減期(放射性物質の原子の数が半分になるまでの時間)が「8日」と非常に短いので、現時点(9月下旬)では解決済みと考えられますし、セシウム(セシウム134,137)は検出されていません。

水道水を恐れる理由はない、ということです。 

 
そもそも、暫定基準値が300ベクレル/kgである大人は、水道水の摂取を制限する必要がありませんでした。私も、私の家族も、金町浄水場の発表があった日から今日まで、東京の水道水を飲んでいます。

水道、食品ともに暫定基準値が基準値以下であれば、不安に思うことはありません。

 
それでも水道水を飲むことに抵抗があるという人は、ミネラルウォーターを使用すればいいでしょう。その場合、乳幼児には、腎臓に負担のかかる硬水は避け、軟水を与えてください。
とのこと。<硬水は身体に良いと思ってましたが、乳幼児には負担なのですね・・・・・>

 
 
それより、当面の注意は福島近海で捕れる小魚ではないか・・・
外部被爆と内部被爆の違いについても、よく尋ねられるので触れておきましょう。 

被爆は、身体の外側からでも、内側からでも、浴びる放射線量が同じであれば、身体に与える影響は同じです。

ただ、外部被爆の場合は、汚染物質との接触時間を減らす、距離を離すといった工夫で被爆線量を減らすことができるのに対し、体内に入ったものには、そうした対応が取れません。したがって、汚染物質を取り込まないようにすることが最善の防護策になります。

 暫定基準値を超える放射性物質を含んだ食品は、市場に出回る可能性は非常に低いので、基本的には、店頭に並ぶ食品は安心して食べていいでしょう。

 

内部被爆を避けるために、当面の注意が必要なのは、福島県の近海で捕れるコウナゴやシラス等の小魚です。今後しらばく、ストロンチウム90(半減期29年)という放射性物質による海洋汚染が続くことが懸念されるので、それらの摂取を控えるほうがいいと思われます。

放射性物質は、洗う、煮るなど調理の工夫で落とすことができます。食品の摂り方を工夫することでも内部被爆は防ぐことができます。カリウム豊富な野菜類、海藻類、ドライフルーツ類、カルシウムの多い乳製品、豆類(エンドウマメ、インゲンマメ、大豆)などは積極的に摂るといいでしょう。

 
健康を維持する上では、心を健全に保つことも大切です。放射能について正しい知識を身に付けると、不安をあおる情報にも惑わされず、ストレスをためずに済みます。
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確かに、不安をあおる情報や、不安をあおる政府や機関の対応が露呈しましたので、、、やはり生きた情報を自分達で探して、本当の情報はどれか選択していく時代なのでしょうか。そして、そんな貴重な情報を提供していきたいと強く思います。

 
●野口邦和先生 理学博士 日本大学歯学部選任講師(放射線防護学)
1952年、千葉県生まれ。東京教育大学大学院理学研究科修士課程修了。専門は放射線防護学。日本科学者会議エネルギー・原子力問題研究委員長。研究テーマに「広島・長崎の被爆者の原爆被害に関する調査・研究」「食品中の放射能」「核実験周辺の放射能」などがある。近著『放射能からママと子どもを守る本』(法研)

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